【キリマンジャロに登ってきた】#7 Day2 ホロンボハット(3720m)まで

マンダラハットで初の山小屋の夜が明けました。パーティ全員男女同室でしたが、二段ベッドの一段を一人で占有、マットも枕もありました。 (脱線しますが、以前、登山で出会った方があまり楽しくなさそうだったので、全力で「山って楽しいよプレゼン」をしたのですが、「天狗岳の黒百合ヒュッテはすてきですよ〜なんたって一人ひとつ布団があるんですから!すごいでしょ!」と言ったら「え、山では布団が一人ひとつないんですか・・・」と逆効果だったことがあります。嗚呼。)

マンダラハットの朝
マンダラハットの朝

私は体温変化が遅いほうなので、-16度対応のシュラフでも最初は寒かったですが、カイロをはったり着込んだりして調節し、キンドルで本を読んでいたらいつの間にか寝てしまいました。とはいえ、トイレには3度くらいいきましたが。
トイレに行くたびに、煌煌とした月明かりと、それに負けずに瞬く星が頭上に広がり、つい見とれるけど、やっぱ寒いし、と小規模な葛藤を繰り返しておりました。

マンダラハット2階はこんな感じ
マンダラハット2階はこんな感じ

朝起きると洗面器サービスが。あっついお湯で顔が洗えるなんて、本当にありがたいことです。
朝食も同行のコックさんが作ってくださいます。そこで出てくるのが、なんとおかゆ。しかも、あの海外名物、白飯を甘く煮るなんていう、そんな白米への仕打ちは日本人として許しがたい食べ物ではなく、ゆるさも完璧な味なしおかゆが出てきました。嗚呼嬉し。ありがたし。

山小屋のごはん。まずはおかゆと果物、このあと盛り沢山出てくる
山小屋のごはん。まずはおかゆと果物、このあと盛り沢山出てくる

外に出るとまた、たくさんのポーターさんたちが準備をはじめています。ポーターさんもガイドさんも、とても感じがよくて、ジャンボジャンボと挨拶をかわします。

荷物を分配しているポーターたち
荷物を分配しているポーターたち

時間どおりにものごとが進まないよアフリカだしね、と出発前に聞いていましたが、意外と時間どおりに出発です。

今日の出発路。既にポーターが歩いています
今日の出発路。既にポーターが歩いています

1日目ほどではないですが、木々が生い茂る中を歩いていくと、だんだん空の面積が広くなってきます。周囲の樹木の背丈が低くなっているためで、やがて草原に変わります。

最初は木々の木漏れ日を楽しんでから
最初は木々の木漏れ日を楽しんでから

やがて草原に変わります。ポーターたちの逞しい様子!
やがて草原に変わります。ポーターたちの逞しい様子!

歩いていると、遠くに山が見えてきました。も、もしやあれがキリマンジャロ山頂?! とガイドに尋ねると、あればマウェンジ峰、と即答。なーんだと笑いながら、写真を撮りながらゆったり歩きます。

見えてきたマウェンジ峰(5149m)
見えてきたマウェンジ峰(5149m)

ガイドのフセインが見つけてくれたカメレオン!
ガイドのフセインが見つけてくれたカメレオン!
まだまだ繊細なお花が咲く高度です
まだまだ繊細なお花が咲く高度です
下界が見えてきました
下界が見えてきました
カラカラにひからびた花が多く見られた
カラカラにひからびた花が多く見られた
真ん中がほうずきみたくなっているものや
真ん中がほうずきみたくなっているものや
菊かダリヤのような大ぶりの花
菊かダリヤのような大ぶりの花
花びらも葉っぱも矢車のようになっていたり
花びらも葉っぱも矢車のようになっていたり

しかしここで事件発生。我々の隊長は、パーティのみんなを自由に楽しませてくれるので、隊列を組んだり急がせたりということはほぼありません。こちらとしても、集団行動が大の苦手で、意味のない規則を謹んで憎んでおり。自由を甘受しまくって、写真をとったりゆったり景色を眺めたりしていたところ、後ろから「・・・ナニやってんだよ、チッ(舌打ちの音)」という声が。ふりかえると、日本人の別のパーティの隊列で、その先頭を歩いていた隊長が、すれ違いざまに吐いた捨て台詞でした。ええ〜〜、なになに〜〜、なんでこんな大自然の中でわざわざ悪態をつくかね〜〜?? その隊列に並んで歩いている人たちは、コンニチハーなんていって結構感じよかった。でも、隊長は憎々しい顔で睨んでた。じゃまなら、チョと済みまセーンで済むじゃん。ああ〜こんな人が隊長のパーティに所属していなくて、心から本当によかったと思ったわ! 少なくとも我々のパーティは、隊長もメンバーも、今最高に楽しいよ? 人に悪態つくヒマなんてないくらい。
この事件は、行程が終わるまで、私たちにネタにされ面白ろがられるのでした。

いい眺め〜なんて呑気に言っていたら事件発生(笑)
いい眺め〜なんて呑気に言っていたら事件発生(笑)

そんな事件がある中でも、途中、雲の合間から、今度は本当のキリマンジャロ山頂が顔を覗かせてくれたり、変わった形の花や木々を眺めたり、麓の景色を上から見下ろしたりと、楽しい散策は続きます。この日はほとんど、登りを感じることなく、ゆったりとしたハイキングでした。

カラカラになった上に真っ黒になった花
カラカラになった上に真っ黒になった花

眺めを堪能しないなんてもったいない!
眺めを堪能しないなんてもったいない!

ランチはランチボックスと温かいお茶。ここでも沸騰したお湯を出してもらえます。そしてランチボックスは、みっちりチキンと、ゆで卵、マンゴージュースにジャムサンド、そしてビスケット。

今日もみっちりの鶏肉と卵、炭水化物とジュース
今日もみっちりの鶏肉と卵、炭水化物とジュース

ランチをとっていたら、雲行きがあやしくなり、やや寒くなってきましたので、少し慌ただしく出発です。

ロベリア。みっしりと紫色の花が咲いている。(のを見せてくれようとしているガイドのジョン)
ロベリア。みっしりと紫色の花が咲いている。(のを見せてくれようとしているガイドのジョン)

ジャイアントセネシオ。水場によく生えていた大きな木
ジャイアントセネシオ。水場によく生えていた大きな木
オレンジ色の不思議な形の花
オレンジ色の不思議な形の花
さきほどの菊っぽいダリヤっぽいのがカラカラ乾いたところ
さきほどの菊っぽいダリヤっぽいのがカラカラ乾いたところ
ジャイアントセネシオの群生
ジャイアントセネシオの群生

そして約6時間の歩行を経て、2つめの山小屋、ホロンボハット(3,720m)に到着です。マンダラハットよりも小屋数が多く、広い敷地が特徴。人もたくさんいます。この日も幸運なことに、ダイニングの二階の広い部屋でパーティは全員一緒。そして行動も前日と一緒で、洗面器、お茶、夕食、トイレ複数回のシンプルライフ。ここでは絶景が楽しめるので、皆で写真を撮って笑います。ケータイもパソコンもないので、ほんと眼の前にあることを存分に楽しめます。こうやってデジタル断食をしてみると、時間がゆっくり流れる贅沢。そして景色や、同じハットにいる人たちや、色々なものが目に入り、おしゃべりや食事といったことが本当に楽しみになります。

ホロンボ・ハットに到着。マンダラ・ハットよりも広い印象
ホロンボ・ハットに到着。マンダラ・ハットよりも広い印象

しかしなにより、富士山とほぼ同じ高さにいるにも関わらず、富士山では悩まされた高山病症状が出ないことが驚きです。これもゆっくりとした行程や歩行ペース、大量の水を飲んでいるのが良いのだと隊長。どうかこのまま最後まで最高の状態でいられますようにと祈りながら、ホロンボの眩しい月を眺めました。

空模様が美しいホロンボ・ハット
空模様が美しいホロンボ・ハット

#8 登頂へ導く毎日の「食」
#9 山小屋事情
#10 Day3 高度順応日のゼブラロック・ハイキング
#11 月明かりの影ができる場所で
#12 Day4 いよいよキボハット(4,720m)へ
#13 ガイド&ポーターのこと
#14 Day5 登頂アタック5895mへ
#15 Day5 頂上からのハードな下山
#16 Day6 さらばキリマンジャロ
#17 アルーシャへ移動
#18 Day7 サファリ〜帰国へ
#19(最終回) 持ち物いろいろ