【キリマンジャロに登ってきた】#13 ガイド&ポーターのこと

キリマンジャロ登山には、ほとんどの場合ガイドやポーターが同行します。

一番お世話になった、Nさん
一番お世話になった、Nさん

あのイモトアヤコさんのキリマンジャロ登山で、たくさんのタンザニア人チームが同行していましたが、今回、我々のパーティも、たくさんの方に支えてもらいました。彼らがいなければ、私たちの登頂は不可能だったと言っても過言ではありません。

私たちを支えてくれた方々。ただただ感謝。
私たちを支えてくれた方々。ただただ感謝。

まず登山ガイド。現地ガイドさんは全部で7名。
最初は正直、なかなかお顔の識別ができず(おそらくあちらから見た私たちもそうであったでしょう・・・)、洋服の色が変わるとわからなくなっちゃったり。彼らは機能性の高い「薄くて温かい」素材の服なんて持っていないので、寒くなるととても着膨れるのです。なので、何度も喋っている人なのに「あれ? こんなに痩せている(または太ってる)? 別の人かも・・・」と思うことも多く。もちろん最後には、ちゃんとみんなの名前と顔が一致するようになっていましたが!

そこで、今回私たちを支えてくれた素晴らしい面々をちょっとご紹介。

まずは、全体オーガナイザーのDさん。ケニア人だそうで、アサインやフィーを取り仕切る役割。隊長が数年一緒にお仕事をされているとのこと。道中の勝手インタビューによると、もうすぐご結婚ですって。彼女の年齢から職業、結婚時期など根掘り葉掘りワイドショーばりに聞いてしまいました。オメデトー!

いつも細やかに気を配ってくれていたDさん
いつも細やかに気を配ってくれていたDさん

そしてガイドリーダーはFさん。とても若い方です。毎日、私たちが疲れないように、歩くペースに気を使ってくださいました。
登頂アタックの際、弱っているとガイドさんが腕や肩を貸してくれるのですが、このFさんにサポートしてもらったメンバー曰く、選ぶ道といい、支え方といい、他の誰にサポートされるよりも歩きやすかったと言っていました。さすがリーダー!

いつも先頭を歩いてペースを作ってくれて、こんなふうに道中、動物を見つけて教えてくれたり。
いつも先頭を歩いてペースを作ってくれて、こんなふうに道中、動物を見つけて教えてくれたり。

その他に、ガイドさんは5名。私が一番お世話になったのは、一番年齢が上と思われる、ちょっと恰幅の良いNさんでした。登頂アタック時に、冷たくなってしまった手をさすって温めてくれたり(ジーン)、登頂時に一部、岩を登るのですが、息苦しくて動きづらい私をひっぱりあげてくれたり(ジーン)。しかし私が案外元気だなと判断すると、弱っている子のほうへささっと行って励ましたりしていました(ジーン)。そして最も辛かった下山時にはずっと腕を貸してくれたり(ジーン)。また、下山後の山小屋泊では、トイレからかなり離れた小屋をあてがわれたのですが、道に迷わないように外でガードマンまでしてくれていた!(ジーンばかりや) ちょっとちゃっかりしたところもあって、苦笑するシーンもいくつかありましたが、そこがまた正直くさくて良いのです! 頼りになるにーちゃん、という感じでした。

いつも遠くからも手をふってくれるNさん。
いつも遠くからも手をふってくれるNさん。

ほんと感じが良い人。何かというと「フォローミー」と言って連れて行ってくれる
ほんと感じが良い人。何かというと「フォローミー」と言って連れて行ってくれる

他の4名ももちろんとっても親切極まりない方々でした。トイレに行くたびに、最後尾のガイドさんはのんびり待ってくれたり、それをきっかけに自己紹介をしあったり。6日間の行程は決して楽ではないので、「ポレポレー(ゆっくりゆっくり)」「アクナマタタ(なんくるないさー)」と言い合うだけでもホッとするものでした。

頂上で記念撮影。彼もいつもニッコリ、ホスピタリティの塊だった
頂上で記念撮影。彼もいつもニッコリ、ホスピタリティの塊だった

よく私のトイレ待ちをしてくれていた二人・・・はぐれずに済んだのはあなた方のお陰です
よく私のトイレ待ちをしてくれていた二人・・・はぐれずに済んだのはあなた方のお陰です

毎日のお食事を作ってくれたコックは3名、ティータイムから食事時までテーブルセットをしてくれるキッチンボーイは2名。そして朝夕、熱いお湯を入れた洗面器を持ってきてくれる方がいて、そしてそして、我々が1日3リットルのみ続けるお水、料理用のお水、食材、そして我々の荷物を運んでくれたポーターさんたちがいます。最後のセレモニーでは全員集合で、こんなにたくさんの人たちに助けられていたのだと実感しました。

お昼ご飯のときにいつも熱いお茶を入れてくれた彼。まめまめしい方だった!
お昼ご飯のときにいつも熱いお茶を入れてくれた彼。まめまめしい方だった!

現地ガイド&ポーターの給与体系は、フィー+チップなのですが、我々の隊長(日本人のほうね)は、そのチップの配分を私たちに開示し、アドオンしたい場合の相談にものってくれたので、今回の登山は、そういった現地の経済状況や仕組みも学べる本当に良い機会でした。旅行会社が決めてしまうと何も見えないまま終わってしまうこと。隊長のおかげで、今回の企画がより深みのあるものになりました。

また、ガイドは資格が必要で、ポーターの中にはそれを目指している人が多くいるけれど、必ずしも全員がそういうわけではなく、ゲストと余計に関わらず(ガイドには必須の英語を話すこともなく)荷物を運ぶ仕事に満足している人もいるとのことです。そんなことも知って、色々なことを考え話しながらの登山は本当に充実したものでした。

たくさんのポーターさんに、荷物も食事もお水も持ってもらっていました
たくさんのポーターさんに、荷物も食事もお水も持ってもらっていました

各ハットは、たくさんのガイドやポーターにあふれていました
各ハットは、たくさんのガイドやポーターにあふれていました
重い荷物を運んでいるのに、多くの方はとても感じよく挨拶してくれた
重い荷物を運んでいるのに、多くの方はとても感じよく挨拶してくれた

他のパーティのガイドさんポーターさんすべてがこんなに良いチームではなかったようです。残念ながら、他のパーティでは、荷物の盗難が発生したり、全員登頂が果たせなかったりということもあったそう。我々は体調・天候も、メンバーにも恵まれていたのかもしれませんが、責任感のあるガイド&ポーターであったことが何よりも幸せなことだったのだと思います。だって、山小屋を出た後、ちゃんと忘れ物を点検してくれていたり、鍵をかけろとか、カメラはしまっとけとか、荷物をちゃんと持ってるか? とか、何度もチェックしてもらいました。彼らは安全に登頂させることがお仕事、私たちも登頂することが目的で来ているので、最初からバランスはとれているはずですが、思惑やら何やらで上手くいかないパターンもあるでしょう。しかし、それがなかった。最後の最後まで彼らは親切で、親しみやすかった。これが今回の最大の私たちの幸せだったと感じています。

これは下山時。カメラを向けたらポージング!
これは下山時。カメラを向けたらポージング!

また私見ではありますが、東南アジアの人たちの人なつっこさ、親しみやすさと、アフリカ人のそれとは、やはりベクトルが違うもんだなあと感じました。東南アジアと一口にいっても、すぐに親しくなれそうだけど最後の壁が固いとか、細かく分けると様々なのですが、キリマンジャロで出会ったアフリカ人の方々は、もちろんシャイな方もいますが、余計な思惑なく接することができたように思えます。彼らがとてもホスピタリティを意識しているせいか、ちょっとそれは言い過ぎ! やり過ぎ! みたいなこともありましたが、それが彼らの仕事ですから、良いのです。来年も再来年も、彼らがゲストに対して、私たちに対してと同じように親切にし続けてくれたら良いな、と心から思いました。普段の生活で、お店の店員さんやら何かをお願いした人にそんなことを思ったことはなく、このキリマンジャロ登山の経験は、仕事や人間関係って私たちが考えるよりももっともっとシンプルな構造なんじゃないかな、と考え直すきっかけでもありました。

下山後、Nさんと。ウルルン滞在記を思い出させる別れの光景
下山後、Nさんと。ウルルン滞在記を思い出させる別れの光景

#14 Day5 登頂アタック5895mへ
#15 Day5 頂上からのハードな下山
#16 Day6 さらばキリマンジャロ
#17 アルーシャへ移動
#18 Day7 サファリ〜帰国へ
#19(最終回) 持ち物いろいろ