山→セレモニー→昼食後、ガイドも一緒にバスに乗り込み、まずは初日に泊まったホテルに向かいました。そこで預けてあった荷物をピックアツプし、今夜の宿泊先であるアルーシャの町に向かいます。
荷物はすべてバスの屋上に載せるので、ガイドやポーターに上げ下ろしをしてもらう必要があるのと、皆、アルーシャに住んでいるからです。
私は一番後ろの席だったのですが、座っているガイドたちの後ろ頭の形の良さにしびれました。みんな短髪なのですが、後頭部が出っ張っていて、完璧な形! 凹凸が少ない日本顔に加え、後ろ頭が超絶壁の私から見ると、ほんとうにホレボレするほど。絶景とはまさにこのことです。下山で面倒になって写真に残しておかなかったのが悔やまれるほどです。
バスの中では、隣の男子のケータイに何度も電話がかかってきて、彼女じゃないの? と冷やかしたり、ピーナッツを食べていたらみんなが床に殻を捨てるのでどーすんのこれ、と笑ったり。窓の外の風景も見過ごせなく、居眠りをするヒマもありませんでした。おまけに夕方、日本時間で年が明けたと隊長が教えてくれて、盛り上がる日本勢。キョトンとするアフリカ勢。そして事の次第を共有して、あらためて全員でハピニューイヤー! と祝ってみたり。ヘットヘトに疲れているのに、やけにテンションの高い車内でした。
立ち寄ったスーパーマーケットでお土産を購入。キリマンジャロコーヒーや紅茶が主流で、お菓子はヨーロッパや中東からの輸入品が主流。かろうじて南アフリカのビスケットがあったくらい。時間もあまりなかったので、パパっと購入。このスーパーはクレジットカードが使えたので、タンザニアでは一切両替をしませんでした。ただし、レジでカードは切れず、出してもらったレシートをカウンターに持って行ってカード処理をしてもらい、またレジに持って帰って商品を受け取る仕組み。久しぶりの消費活動は戸惑う事多しでした。
バスは再びアルーシャの町へと走ります。ここらへんから、道路が舗装されていないところが多く、窓を開けていると埃まみれになり、喉をやられました。私の前の席の方がすぐに窓を閉めてくれたので事なきを得ましたが、こういうときに、舗装道路で土がなくなるのを嘆く気持ちと、舗装されていない道の埃で健康を害するのは、背中合わせと気づかされます。こういうことを実感するのも、旅に出る意義というものです。
もう日がとっぷりと暮れ、疲労もピークに達する頃に、アルーシャのホテルに到着しました。ホテルの周りは、まさかここにホテルがあるとは思わないような、掘建て小屋が並ぶエリアでしたが、ちょっと奥まったところにあったのが、ヴィラタイプの広いホテルが出現します。
車から荷物を降ろしてもらって、ガイドとはここでさよなら。本当に何から何までお世話になりっぱなしでした。
まずはお部屋を案内してもらいます。広く、灯りが少ない敷地内に点在するヴィラは、山小屋ライフを満喫したばかりの私たちにはまばゆいばかり。お部屋は広く、天蓋つきのお姫様ベッド、ホットシャワー、広い鏡とアメニティ、なんとも文明のかぐわしい文明の香りです。6日間は乾燥していたので、汗も匂いもほとんど気にならなかったのですが、さすがに下界は気温が高く、汗もかいたので、まずは何よりも、シャワーへ。ホットシャワーのはずでしたが、実際にはぬるーいシャワーでした。しかしそれでも、服も着替えて気分はさっぱりです。
実はこの日、日本出発前からの計画実行の日だったのです。というのも、パーティの中に新婚さんがいまして、今回がなんと新婚旅行にあたるのだそう。という話を、出発前の打ち合わせで旦那様からお聞きし(奥様は欠席)、サプライズでお祝いしようと画策していたのでした。隊長はケーキや何やらを用意してくれ、私はクラッカーが飛行機に持ち込めないので、代わりの蜘蛛の巣テープをアマゾンで調達。サプライズをいつやるかが最初は決まっていなかったので、登山中もずっと鞄に忍ばせていたのでした。さあ楽しみ。新婚さん以外は10分前に集合です。ディナーは庭で、カウントダウンパーティに参加する形となりました。そして私たちのテーブルには、新婚さん用のどでかいケーキと、おのおのにはクラッカーが! せっかくなので蜘蛛の巣テープも有志に渡し、併用することに。これが大成功で、新婚さんがテーブルについたとたん、ハッピーウェディング〜のかけ声とともに
パンパン! とクラッカーがなる中、投げられた蜘蛛の巣テープからは色とりどりの紙テープが流れ、非常に豪華な始まりとなりました!
お食事はビュッフェで、お肉を焼いてもらったり、色々な野菜やフルーツをたくさん食べました。お庭の真ん中では、マサイダンスやファイアーダンス、アクロバットなど様々な催しが行われています。アフリカで年越しなんて、まったく想像していない未来でした。新婚さんのおかげでアフリカのケーキも食べました。これがまた、クリームもボリュームもたっぷりでしたが、濃厚で美味しかった! テーブルにはそれぞれプレゼントの包みがあり、私のところには、木彫りとビーズでできたネックレスが置いてありました。
そしてほどなくして、カウントダウン! まさかアフリカで新年を迎える日が来るとは、夢にも思いませんでした!
カウントダウンにあわせて、そこらじゅうに置かれた風船が割られるのですが、これがまたアナログで面白かった。勢い良く連続で、とはいかず、ひとつひとつを不器用気味に割っていくので、まばらに割れていくばかりでいつまでも終わらず。そんな中、ダンス大会が始まりました。同じアホなら踊らにゃソン! ということで、生まれた時からリズム感が備わっているようなアフリカ勢に混じって、いまひとつリズムに乗り切れない日本勢もノリで参加! 2016年の幕開けは、アフリカ人とダンスでスタートよ!
しかしやはり、このシチュエーションに慣れず、引け際がつかめない日本人。シャワーを浴びてきたにも関わらず汗だくのクタクタで、止められないダンスを体力の限界で止めたとき、アフリカ人たちも一緒にダンスを止めたので、どうやら最後のほうは私たちにつきあってくれていたようです。トホホ。
ダンスを終えてみんなで部屋に戻ると既に1時過ぎ。そこからもう一度シャワーを浴び、パッキングをして、6日ぶりのフカフカのベッドに身体を横たえましたが、な、なんと、ちっとも眠れません。ダンスで興奮してしまったか、それとも固い山小屋のベッドに寝袋でないと眠られない身体になってしまったか。まんじりとしないまま夜明けを迎え、寝るのを諦めて、途切れがちなWifiでネットを覗いたり、実家に電話したりで朝を迎えました。
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