2016年のゴールデンウイークは、平日が二日挟まるものの、全部つなげれば11連休という、まさにゴールデンな週。後半は既に登山の予定が入っていたので、前半で実家に帰ることにしました。今回は、まもなく受験の子供達にかかりきりになる予定の姉と二人での帰省。久々に実家に家族が集結することとなりました。
我が家は元祖山ガールの母と、母に追随する形で登山を始めた父がいます。私の実家がある宮城は、そこそこ都会ながらも、ちびっと車を走らせれば自然のど真ん中に行ける土地柄。私が住んでいた頃は、たとえば土日の朝に雪のコンディションがよさそうなら、そこから電話で連絡をしあって、サービスエリアで合流して、スキーやスノボに出かけ、昼過ぎには引き上げて温泉に入って早めの帰宅、なんていう、東北の人には当たり前でも、東京のスキー好きの人にはうらやましがられる生活をしていました。
なので帰省すると、ちゃんと足で登るかどうかは別にして、大抵1日は山へ行っておにぎりを食べてきたりすることがよくあったのですが、今回、ちょっと弱り気味の母のコンディションが良い一日を選んで、近場の里山へハイキングに出かけることになりました。しかし天候は曇天。こんな日、普通なら中止にするところですが、なんとなくそのまま出かけ、誰もいない霧の山を登って、ごはんを食べて、帰ってくるだけの登山を決行。テンションが上がらないかと思いきや、厚い雲の下を歩く春山は、緑や花が美しく、霧もかかって幻想的な風景が見られたため、写真好きには非常に満足のいくハイキングとなりました。
笹倉山は「七つ森」と呼ばれる山域のひとつで、506mの低山です。しかし侮るなかれ、七つ森は結構アップダウンがあり、ロープや鎖場もあり、わりと健脚が強いられるところです。ただ笹倉山はその中でもまったく難儀な場所がなく、登山をしない姉でもらくらく登れる楽しい場所でした。
七つ森のそれぞれの山頂には、薬師如来像が祀られていて、全部が笹倉山を向いているんですって。これらの薬師如来を一日で廻る「七薬師掛け」というのが今も行われているそうですが、「七つ森スタンプラリー」という今どきっぽい行事も行われているらしい。いずれにせよ、七つ森を全部一日で廻るのは、相当な体力がいると思う(当社比)。でも東北には、老若男女の登山愛好家が多いので、絶好のアドベンチャーポイントになっていることでしょう。
ところで以前、年下の友人が、「私の家族はもうたぶんこの先、全員で集結することはないと思う」と話していたことを思い出しました。誰しも、年齢が上がってくると、それぞれにパーソナルな事情が増えてきて、場所や時間を合わせるのが難しくなってくるものですが、ひとつまたある段階を超えると、親が弱ってくるとか、子供の世話を手伝ってもらうとか、色々な事情でまた家族が集結することもあるものだと思います。こんなふうに揃ってハイキングするのも、貴重な機会になってくるんだなあと噛み締めながら、私自身が出かけられなくなることがないようにちゃんと足腰鍛えとかねばね!、と思い正す一日でした。
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