【オーストラリアに行ってきた】#10 カタジュタ探検と夕暮れのウルル

ウルルでは、とにかく歩き回ることにしていました。滞在は3日間で、初日と最終日は移動日でもありますので、行けるところはすべて行くべく、各種ツアーとにかく予約を入れました。
初日はお昼に到着し、そのあとはカタジュタをトレッキング。そしてウルルのサンセットを見に行ってから、バーベキューディナーと星空観察会。
二日目は、宿泊地からバスで3時間ほどのところにあるキングスキャニオンで1日トレッキング。
三日目はウルルのサンライズを見に行って、そのあとウルル周辺を歩き回る日。
とにかくトレッキング三昧です。ここに来る前にコジオスコで登山をしてきたことを考えると、私のオーストラリア滞在は、とにもかくにも「歩き回った」の一言につきます。ああ、体力が必要。登山やっててよかった。

移動はどこを走ってもこんな風景ばかり

話を戻して、初日のカタジュタへ。カタジュタは(オルガ岩群)は、ウルルのような一枚岩ではないものの、巨大な岩山の集まりです。ウルルの西約45kmにあるそれは、我々か連想する「山」とはまったく様相が異なっていて、赤土の地面が何かの力で隆起しまくったような、それがワイルドな気候で荒く削られたような、とにかくこの広大な乾燥地帯でしかありえないような岩山の集まりでした。

カタジュタ周辺も花盛り

ちなみに、ウルルやこのオルガ岩群は、アボリジニの聖地でもあるため、写真をとっちゃダメエリアがたくさんあります。私が訪れたオルガはほぼ入り口付近なので、特に注意はなかったですが、この先にある「風の谷」については、写真はOKでもネットにあげたりすることは禁じられているそうです。3日目のウルル散策では、注意書きの看板もたくさんあって、ガイドさんにも都度注意されました。

赤い大地の力を感じる

といっても、守らない人もたくさんいるんでしょうけれど、よくよく考えてみたら、日本の神社仏閣でも仏像は撮影禁止のところが多いし、博物館でもものによって撮影を禁じているところもある。美術館なんかは著作権保護の目的もあるのだろうけれど。こんなに誰もがカメラ機能を日常的に手にし、SNSというお手軽公開ツールができた時代に、今もって写真の流通が、強制能力の低い方法でアナログに阻止されている場所があって、それらが来訪者の良心に委ねられているという点に、あらためてハッとしました。このルールは、これからの時代にとってはちょっとチグハグになっていくであろうし、今後はたとえばカメラ持ち込み禁止などという形で強制力が強くなるのか、それとももう、諦めの方向に進むのか、個人的にとても興味深いです。

まずはカタジュタ全景が見える展望台へ

カタジュタでは、まず展望台からまず全景を眺めます。ピンク色のお花が花盛り。砂漠なのに植物が豊富で、こんな景色見たことがありません。旅の醍醐味は、「見たことのない景色」や「会ったことのない人」、「これもアリな常識」に出会うことにつきます。シドニーが都会で、楽しいは楽しかったものの、目に入るものすべてが新鮮かという尺度ではちょつと度数が低かったのですが、ここに来てその度数が一気に補填されました。ああ本当に旅はステキ。

広い広いカタジュタ
角度を変えるとまた別の表情が
展望台からは遠くにウルルも見えました

展望台で全景の写真をとっているうちに、一人で来ている女子と仲良くなり、さっき話した男子と三人で行動することになりました。展望台から戻るといよいよ、カタジュタのトレッキングです。といっても、往復2kmの平坦な道なので、ほぼ散歩同然。でも絶景に囲まれて、照りつける太陽と乾いた風がなんともいえない心地よさです。

カタジュタに近づく
この渓谷の切れ目をトレッキング
岩肌は迫力満点
だんだん日が傾いてきました
振り返ると光る青空が
あちこちに綿毛のような花が
帰路はまた別の景色が
光の当たり方が絵になります
全行程4kmの短いトレイルでも大満足

トレッキングを終えると、すぐにバスでウルルに移動。お待ちかねのサンセットタイムです。ここで、シャンパンをあらかじめ予約していた人たちとそうでない人たちに分かれます。私と女子は「していない組」。シャンパンは、そのグラスごしにウルルを眺めると、ウルルがさかさに映り込むという趣向のためのもの。SNSで「ウルル シャンパン」で検索してみるとワンサカそんな写真が出てきてよ。私は女子とともに、夕日と、木々に邪魔されないウルルが見える場所へと移動しました。次第に夕日が落ちていき、ウルルを照らすと、その岩肌が真っ赤に染められます。うわ、なんかもう、「ザ・ウルル」というか、本気のため息が出る景色! 空が低く、影が濃く、岩の色はどんどん深い赤に変わっていきます。本当にウルルに来てよかった。コジオスコで遭難しなくてよかった。Brett氏に送迎してもらえてよかった。いやそれ以前に私、真面目に働いていてよかった(じゃないと旅なんて無理よ)。いやいやそれ以前に健康でよかった。とにかくあらゆるものに感謝したくなるのが、この夕刻のウルルなのでした。

バスの窓から。空が低くて美しい
さらばカタジュタ
ウルルにどんどん近づいていく
夕暮れ空の美しさがすごい
ウルルに到着しました
夕日が当たって真っ赤になるウルル
背後の空がまた素晴らしく
ウルルの色が刻々と変わります
背後の日がどんどん沈んでいきます
あっという間にシルエットに
日が沈んだ後の空も美しいこと
バスで移動します

日が沈み、ウルルの色素が抜けていくと、このサンセットショーも終わりに。次なる行事はBBQディナーです。このBBQ、なぜ参加したかというと、オージービーフだけではなく、カンガルー肉が食べられると聞いたから。数日前、わざわざ愛でに行ったにもかかわらず、その肉を食べたがるとは、自分の残酷さにあきれますが、これもめったにできることではないので、好奇心の赴くままに、です。

ウルルのシルエットを感じながらのBBQ
AATのスタッフの方々が焼いてくださいます
オージービーフとカンガルー肉
デザートのケーキ

カンガルー肉はなんていうか、脂肪分を抜ききったささみ、という感じ? パサパサしていて、ぎゃー美味い、とは思えない味でした。一緒に出てきたオージービーフの油たっぷりのほうが味わいがあった。でも、アボリジニの方には貴重なタンパク源で、特に尻尾は栄養があるとのこと。エアーズロックリゾート内のスーパーマーケットには、アボリジニの方もお買い物に来るそうで、冷凍のカンガルー尻尾肉が売られていました。

BBQでは同席の女子たちとまたもや仲良くなり、私からコジオスコの登山話をしたり、みんなの旅の話を聞いたり、とても楽しい時間でした。BBQを終えると、星空観察会です。といっても、隣の駐車場から空を見上げるのですが、ちょっと曇り気味でありながらも、天の川までばっちり見えました。宿に戻るとすぐにドミトリー専用の共同シャワーを浴びて、すでに寝ている人もいるため抜き足、差し足で登った二段ベッドにあがり、ああ旅してると実感しながら、移動の疲れもあってすぐに眠りに落ちました。

かろうじて撮影できたお星様。本物はもっとすごいよ。

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