【北アルプス】常念岳に登ってきた

北アルプスの常念岳に登ってきました。北アルプスは私の最もお気に入りの山域で、もうひとつひとつ、季節毎にじっくり攻略したいと常日頃思っています。今回はその中で初めて登る常念岳へ、前泊山泊の2泊3日で出かけてきました。

  • 通行止めの嵐、嵐!
  • 雨降ってるやん・・・
  • 常念小屋で過ごす半日
  • ピーカン山頂アタック!
  • 下山はコーヒーから始まった
  • 寄り道もまた楽し

通行止めの嵐、嵐!

視界も悪く・・・

そこへ向かったのは、2019年10月中旬に猛威を振るった台風19号の翌週。あちこちが通行止めになる中、出発直前まで事前調べに余念なく。なんとか下道を通りながら行ける確証を得て、金曜日の夕方16時に都内を出発。中央道は案の定八王子から大月までが通行止めで、覚悟の下道へと降りたものの、そこから1ミリたりとも動かず。台風の時ほどではないにせよ、なかなか雨も降り出して視界も悪く、車のナビだけでは情報をキャッチできないので、同行メンバーとGoogle Map様の最新情報をにらみながら、迂回に迂回を重ねて進みました。そして前泊の安曇野に到着したのは22時。詰まった箇所以外は案外スムースに流れたので、思ったよりもは早めに到着した印象。素泊まり3000円のお安いお宿では、大きなお風呂にもゆっくり浸かることができ一息。登山前登山口に着くまでにすでに一山超えた感のある1日目の夜でもう若干クタクタきみでのスタートでした。

やっと安曇野についた・・・雨女参上という感じ。

雨降ってるやん・・・

翌日は6時出発で登山口までは車で約30分。雨がジトジト降る中、景気付けに懐メロヒットソングを聴くのが私の車の常なのですが、本日のチョイスは同行者の好みにあわせてDuran Duran。こういう時に聞いた曲って、登山中頭の中をリピートするんですよね。案の定、今回の登山中には何度RIOが流れたことかわかりません。

お世話になったリーズナブルなお宿
駐車場からの道
登山口の相談所。あいにくお留守で人生相談ができない・・・。
いよいよここから登ります

登山口は人もまばら、それもそのはず、時々青空が見えてニヤつくものの、それはまるで幻・・・とポエムを口ずさみたくなるような、基本、雨。登山道には水があふれ、沢は増水し、曇りで視界も良くなく、たぶん前週の台風で崩れたかのゴロゴロ石とまばらな倒木。道標のピンクリボンも見つけづらい状況で、一人山行じゃなくってよかったと思いながら歩きました。もちろんその時も脳内BGMはRIO。

入り口近くに山の神様
川じゃないのよ、登山道なのよ
台風の影響か倒木が多かった
幻想的・・・
お猿さん
ざぶざぶな道を渡る
でも紅葉が残っていた
滑る滑る滑らないように
きっつい上り坂の代名詞「胸突八丁」

常念小屋で過ごす半日

常念乗越に到着

登山道から突然目の前が開ける「常念乗越」。曇天で景観はゼロだったけれど、その奥に見える常念小屋が本日の宿泊地。そしてその常念小屋は、なんと100周年とのことで、記念木札をいただきました。ヤッホーうれしー。

常念小屋は100周年
これが記念木札


そして腹が空いた我々は、小屋でまずごはん。ラーメンをいただきます。いやあ、スープものが美味しいのよね、こういう時って。そしてデザートは自作です。今回は私の自慢料理、フルーツ葛汁粉を煮ました。自慢料理と言いながらそれは料理と言って良いのかわからないくらいの超簡単メニュー。行動食にもなるドライフルーツを使うので、荷物もかさばりにくく、ちょっとおしゃれな雰囲気も出て、友達ウケは抜群の一品です。今回もコーヒーとともにいただきます。

普通のラーメンが美味しい
おやつクッキン中
出来上がって盛り付けたところ
コーヒーと一緒に贅沢だ。

なんかね、昼の12時過ぎには小屋についてしまい、ついた途端に雨が非常に激しくなって、もう二度と外には出られない状況になっちゃったんです。夕方までやることなし。普段、時間に追い立てられている現代人にとっては、ちょっぴり戸惑ってしまうような贅沢な時間です。こんな時には、普段立ち入らない同行者の身の上話も聞けたりします。もちろん聞きたくなければ眠ってしまえばよいんです。荷物になるから本は持ってこなかったのですが、キンドルでも持っていれば読書三昧でも良いですね。あらやだ贅沢だわ。

夕食はこんな感じ

この日は夕食を食べて、早々におやすみの時間を迎えました。天気のせいもあって小屋の宿泊客がとても少なく、3人で個室を占領できる、これまた贅沢な夜。365日快眠快食を誇る私は、もちろん個室であるかどうかなど関係なく熟睡できるのですが、たとえば着替えたり荷物を片付けたりするときに、少しでものびのびした気分が味わえるのはありがたいことであります。

ピーカン山頂アタック!

朝のブルーが大好きだ

朝、前日の大雨のことなんて知りません、というくらいの晴れっぷり。5時の朝ごはんを終えたら、そのまま頂上に向かいます。ちょっと待って、槍ヶ岳も穂高も見えるじゃない。そしてブロッケン現象まで。岩場がゴロゴロの登山道なのですが、景色の良さに思わず足取りも軽くなり、パチパチと写真を撮りながらずんずん登ります。

乗越の風景が昨日とまるで違う
時々ガスに覆われるけど
泊まった小屋が小さくなっていく
山の夜明けは素晴らしい
ブロッケン現象! 幸先良い!
大天井岳が見えてきた
槍がくっきり!!
のぼる私
のぼる私2

そして山頂。最高の景色はそのまま待っていてくれました〜。日頃の行いの良い人が常念岳にいたに違いない! それは私じゃないけどね! と思いながら、山頂で周囲を見渡して一息。ちょっと最高の景色じゃないですか。

やっと山頂!!!
たまりませんなあ

下山はコーヒーから始まった

帰りもまたガスの中に突入

さて下山。いったん小屋に戻って荷物をまとめ、コーヒーを入れて一息。こういうところで飲むコーヒーはなんでこうも美味しいんでしょうかね。私は、女子にありがちなカフェ欲(カフェ巡りなるものをしたり、カフェそのものを目的として外出したり)がほぼなく、コーヒーを飲むなら山頂でお湯をわかして飲むのが最高の贅沢だと思っているクチです。ついでにご飯も、小洒落たビストロやレストランよりも、山頂の山ごはんのほうが好き好き。って書いていると、かえって見下しているような人に見えますね。いやいや、そんなつもりは絶対になくて、究極は、岳前半の島崎サンポさんに憧れの気持ちを持っているだけなんですよ。

「下は雨ですよ〜」と登ってくる人
前日の雨で流れが速い

そして下山。下山した後は、小谷村に向かいました。ここでまた、私の愛車のカーナビがうそをつきやがりまして、当日開催されていたマラソン大会の通行止め情報をそのまま鵜呑みにして、えらい遠回りを勧めてきましたが、ここでまたGoogle Map先生のお力をお借りして、スムーズに走ること、それでも1時間半。まずは小谷温泉の山田旅館で日帰り入浴をさせてもらいました。ここは本当は、日帰り入浴は15時までだったんですが、終了3分前に到着した我々の哀願を叶えてくださり、のんびりお風呂をいただきました。今回お風呂運があるな。いや、素晴らしいお風呂でございました。

立ち寄りのお風呂

寄り道もまた楽し

そしてお風呂の後、スーパー会いたかった知人を訪ねて、小谷村のお蕎麦やさんへ。古民家にランプが灯る静かなお蕎麦やさんで、シンプルなお蕎麦を贅沢にいただく時間は最高でした。何度か写真を送ってもらってたので想像はしていたけれど、住みたいくらい良い空気のお店だった。知人とはあまり話ができなかったのが残念だったけれど(お仕事中だし)、会えただけでも大変よかった。行きたいところに行ける、会いたいと思った人に会いに行けるのって、やっぱり最高の贅沢だと思うです。歴史上の人物にいくら恋い焦がれても会うことはできないけれど、同じ時間を共に生きていたら、どんなに距離があろうが思い切ればびゅんと行ける。こういう時、運転できてよかったぜ、と心から思います。ありがとう、数年前に私の脱ペーパードライバーを応援してくれたお友達軍団! 皆に幸あれ!!

お蕎麦。味が深かった。

お蕎麦の後は、上信越道を通って関東に向かいます。高速に乗ってから調べてみると、なんと中央道の通行止めはすでに解消した模様。しかし上信越道はまだ、通行止めの最中でした。おお・・・。碓氷軽井沢で下道に降ろされ、佐久まで。そして関越まで進む、私の車内はもちろん、Amazon Musicであらかじめダウンロードした80年代歌謡曲ヒットパレード! 一曲かかるごとに、その時のエピソードを語り合う面々。やっぱり渋滞にはしりとりよりも懐メロです。ヒットソングをチョイスさせてくれてありがとうAmazon。ちょっぴり憎らしいこともあるけど、やっぱり私はAmazonに囲い込まれて生きている。ジェフ・ベゾスさん、いつか会えたらお礼に常念岳にお連れしましょう。

そんなわけで、渋滞と迂回と雨と最高の景色という、バリエーション豊かな山行でした。お蕎麦も知人との再会も。私の車、よく走ってえらかった。またすぐにでも行きたいものです。