【ポーランドに行ってきた】#11 クラクフ最終日

さて、早くもクラクフ最終日となりました。本日午後の鉄道にのって、再びワルシャワへと帰ります。
まだ歩いていないところが山ほど・・・ツアーと違って自由に予定をたててきたので、ひとつひとつをじっくり見ることができたのですが、日程が足りず行けないところも多かったです。ああできることなら1ヶ月くらいじっくり滞在したい。

ちょっとしたドアの上にも像があったり

さて日に日に気温が下がっているような気がします。今日も持っている服をすべて着込む形で出かけます。
朝なので人通りも少なく、観光地クラクフの中心部もおっとりとした空気が漂っています。

まず朝食をいただいたら、ヴァベル城へ向かいます。16世紀までは国王の住まいだったとあって、超ゴシック、超壮大。ヴィスワ川を見下ろす形で丘の上にそびえ建っています。ホテルからは歩いてすぐのところでした。そしてお城の入り口に大きな十字架の碑があり、近寄ってみると「KATYN」と書いてありました。

カティンの碑

こういう時に、ああやっぱり旅に出るべきなんだと思います。KATYNの話は、報道や本、映画で知っていましたが、ひどいことが行われていたことは頭に入っていても、こうして近い場所にきて、予定もせずにその事実に関連する何かに触れたときに、その事実がより現実として迫ってきます。きっと時間がたつと、生活の地として離れた場所にいると、壮大な歴史の中のいちポイントになっていってしまいがちなそれらが、近しい人の身の上に起こったこととして捉えられている土地に触れ、決していちポイントなんかではないと思わせられます。これは地震被災地の復興などにも言えることでしょう。ボランティアができない人でも、その地に一度足を運んでみるというのは、頭で考えるよりもずっと有効なことなのだろうと、あらためて思います。

ヴァベル城入り口。まだ夜があけきっていません。寒い。
階段の上が見えない・・・
お城の入り口
霧がたちこめている
たくさんの塔がたっている

お城の中にはまず聖堂があって、人の気配がするのでちょっと覗いてみたところ、神父さんが出ていらして、「お祈りですか?」と聞かれました。私たちはキリスト教徒ではないので、このお祈りの時間帯には入れません(観光の時間になれば入れますが、早朝だったので)。お庭や建物の周りを歩くだけでも、すごいスケールです。それにしても寒い・・・。

いや、とにかく寒いんです
敷地の中は自由に歩きまわれます
壁に天使さまが。
回廊に取り囲まれた空間
装飾が細かく入っています
ヴィスワ川も冷たそう

ひととおりお城の敷地をめぐっていたら、太陽があがってきました。あがっても寒い。とにかく寒い。お城を出たら、次は旧市街広場のもろもろに行ってみます。

外から見た城壁
広場に戻るとやっと日が射してきました
ごまパン売りのおばちゃんたちも出できたし
こういうのを見上げると、旅に出てる実感がわきます
各国の郵便ポストも愛おしい
お世話になった食器屋さん。すてきなものばかりだった。
自転車も馬車も進入禁止。
太陽のあたたかさが嬉しい!

まずは旧市庁舎の塔に登りました。古い石造りの塔は、こういうところからラプンツェルとか眠り姫とかの話が生まれたのねと思わせられます。まずは狭い階段をヒーヒーに言いながら登ります。途中で歴史に関する説明や、当時の服装などが展示されています。窓が素朴なステンドグラスになっていて、そこから差し込む朝日が非常に美しかったのが印象的。

旧市庁舎前にはメデューサの首が
旧市庁舎の中には昔の服装が展示してある
最上階の素朴なステンドグラス
窓からクラクフの街が見えます

次に訪れたのは聖マリア教会。ここについては、アウシュビッツに連れて行ってくれたMさんが教えてくれたのですが、ちょうどお昼頃に、修道女さんによる祭壇のご開帳があるとのことで、その時間にあわせて行ってみました。教会の向かいの小さな小屋で受付をするのですが、長蛇の列。でも案外すぐに順番が来て、日本語の案内をいただきました。また、カメラの持ち込みは有料で、お金を払うとシールをくれるので、見えるところに貼る必要があります。このシールのチェックはかなり厳重で、私のシールが見えにくかったのか、カメラを出したとたんに係のお兄さんがチェックしにくるほどでした。
でも、この教会の内部、すごいんです。絶対の絶対にケチしないで持ち込み代を払うべき!! 事前にガイドブックなどでも見てきたのですが、実際に目にする感動はぜんぜん違いました! とにかく美しさの極みです!!

とにかく息を飲む美しさ
天井から星がふってくるよう
壁も隙なくみっちり
完璧なステンドグラス
ここにいる全員が上を見上げています。(お財布に注意)
これがご開帳したところ。すばらしすぎて絶句。
とにかく美しいとしかいえない
ステンドグラスがどれもすごい
場所によって図柄が異なっています

そんなこんなしている間に駅に向かう時間になってしまいました。荷物を取りに行って、またクラクフ駅まで歩きます。

クラクフ駅構内。

クラクフの駅からはまたコンパートメントです。今度は貸切でした。そして行きと同じく、車掌さんがチェックにきましたが、新米ぽい男性とベテランぽい男性の二人組で、行きではチェックされなかったパスポートの提示を求められました。きっとベテランになるほど、このへんを端折り始めるのではないかと推測。新米男性はきゅうりっぽく、ベテランはおにぎりっぽい人でした。ああこんなことを言ってはいけない。でも言っちゃう。そしてコーヒーと、お試しチョコのサービスがありました。

長旅のお供。コーヒーとチョコはサービスです。
コンパートメントは貸切状態

帰りはスムーズに時間どおりに到着。ワルシャワ中央駅が終点ではないので、ワルシャワなんちゃらというアナウンスが聞こえたのであわてて荷物を準備し、念のため隣のコンパートメントの人に「ワルシャワセントラル?」と聞いたら、次の次だよとのこと。あーあぶない。ワルシャワという名前がつく駅が連続するのでこのへんは注意です。遠慮なく周囲の人に聞きましょう。

ワルシャワに到着したらもう真っ暗。でも慣れたもんで、地下道を通ってホテルに向かいます。そういえば出発前、ワルシャワ市内は地下通路が多いという情報を得て、絶対通るもんかと思っていました。だって映画で事件が起こるのはだいたい地下通路だから・・・しかしワルシャワでは地下通路を通らずに移動することは不可能でした。。地下通路はお店がいっぱい、人もいっぱいで、海外の道を歩く最低限の心得をしていれば、危険なことはありません。

ホテルはまた、文化科学宮殿近くの大型ホテルを予約してありました。が、フロントにバウチャーを提示すると、予約が入っていない模様。きたよ・・・最後のトラブル。フロントの若い男性、パウエル(名札を見て勝手に呼んでいた)は、あせっていろいろなところに電話をかけまくっています。こういう対応、ポーランドでよかったと思う瞬間です。きっとフランスだったら「入ってません」の一言で終わりだろう・・・。パウエル曰く、予約代行会社からこちらへの連絡がなかったことが原因とのことで、部屋はちゃんと用意できますとのこと。「この寒空の下、外で寝なくちゃいけないと思っちゃったわー!」というと、そんなことはさせません!と力強いお言葉。うーんパウエル、すてき。

窓からの眺め。

部屋はエキストラベッドが入れられて無理やりダブルにしたようで、すごい狭さだったけれど、窓からは文化科学宮殿がよく見えました。
しかしこの後、お風呂のバスタブから水が漏れて、お湯がたまらない事件が発生。つたない英語でフロントに電話をかけると、今から人をよこすといわれて待つ事10分。ドアをノックしたのは、なんと英語が話せないおばさま・・・ダメじゃん。思い切りジェスチャーで事の次第を伝えると、またここから待つ事20分・・・もうあきらめかたけけたところに今度は工具箱を持ったおっさんが登場。また同じことを説明したら、ネジ一本しめただけで無事解決。そうよ、最後はバスタブつきがよくってこのホテルにしたんだからね! トラブルなしのポーランド旅行、最後にどさっと来た感じでした。でも大きなトラブルじゃなくて本当によかったよ。
というところで、この日はお風呂に入って泥のように眠ったのでした。

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