今年で3回目になる「旅カレンダープロジェクト」、2014年版ができあがりました。
3年前、震災や手術やらで、「どこにも行かない年」になった2011年。どうせ出かけられないなら、と過去の旅写真を整理しながらふと、これらをちょっと加工してみようかな、と思いつき。Photoshopの進化についていけなくなりつつあった矢先だったので、もう一度勉強し直す気分で色々やってみたら、いやこれがもう、楽しくて楽しくて。
まずはカードにしてみたのだけれど、そんなにカードを配布する文化じゃないんだよね、ニッポンは。それと、どうにも絵葉書単体では気分も上がらず、という中で思いついたのが、12ヶ月をイメージして写真を分類し、カレンダーにすること。
卓上カレンダーは、うんと機能的なものか、写真が綺麗なものにしたいなあという気持ちがあって(だって机の上で日にちを確認するたびに好きでもないキャラクターや絵を眺めるのはつまらないじゃーん)、ならばうんと自分が好きな写真だけにしてみようという、個人利用のつもりでした。最初は。
でも出来上がってみたら、お歳暮やクリスマスプレゼントじゃないけれど、来年もよろしくね、という気持ちでプレゼントするのもいいなあ、と思い始めた。消えものに近いから、もらった人もそう負担にはならないだろうし。
それが一番最初の年。そして2年目も、同じように続けてみたけれど、プリンターのインクが案外すぐなくなってしまうアンド高価なのと、紙の質に限界を感じたのと、カッターで切ったりするのに思いのほか手間がかかってしうのが課題だった。
そして3年目の今年。オンデマンド印刷という、小ロットかつ安価な印刷屋さんを見つけたので、試してみることに。
なんと入稿翌日には発送されて、届いたものは満足いく仕上がりだった。けれど、なんというか、手作り感の温もりが、ちょっと薄れた気もする。私の目指すのは、クオリティは最高で細部に隙がなくかつ遊びがあるもの。これは来年の課題です。
カレンダーの表紙の森は、近所の公園。桜のシーズンに撮影した木々の影が気に入っていて、私の感じた匂いや空気を強調してみた。12ヶ月すべての写真ともに、音や、温度や、匂いを思い出しながら、加工した。
写真としては邪道かもしれないし、デザインとしては拙いものかもしれないけれど、私が感じたこれらの空間から、12ヶ月分選びました。
カレンダーは一年に一度しか作らないものだけれども、こんな形で、旅の空気を伝えていきたいと思っております。