さて。無事空港で滞在準備をこなしたので、ひとまずホテルに向かいます。
今回は、旅の途中で滞在する、コジオスコやエアーズロックのお宿をバックパッカー的チープなところとしたので、シドニー滞在はちょっとだけ贅沢、交通の便の良いアパートメントホテルに泊まることにしました。
といっても、Hotels.comのスペシャルオファー。かなりリーズナブルだったんですけど、ハードな予定に備えてきちんと休むのも重要です。
まずは空港から、エアポートリンクという電車に乗ります。シドニー市内交通には「opal」カードという、日本でいうSuicaのようなプリベイドカードが便利です。
まずは空港駅のカウンターで、「カード欲しい」と係の人に伝えます。すると、「Japanese?」と確認され、日本語の案内書が差し出されます。なんて親切なの。
この「Opal」カード、スマホのアプリで連携して決済することもできるし、改札口にあるチャージ機ではクレジットカードでチャージできます。ああ、こうして世界の電車から、切符購入の手間が省かれていくわけです、誠にすばらしい。
しかし、この後気づくのですが、シドニーの電車って、運賃が超超超高いんです!!! あっっという間にチャージ金額が不足する! いつもチャージ状態を心配しなければならない恐怖のカードでもありました。
ホテルがあるMascotという駅は、国際空港駅から2つ目でした。ホテルは駅のすぐそばで、朝にもかかわらずお部屋が準備OKだったので、すぐにチェックインさせてくれました。
ホテルには、カフェやレストランはないのですが、お部屋には美しく広いキッチンがついているし、コーヒーマシンが完備されているし、まったく不自由ありません。果物やお茶を買ってきてお部屋でゆっくり楽しもうとウキウキ。まずはお昼を食べに出掛けることにしました。
Mascot駅近くはイベント開催中で、たくさんの露店や、ミニステージが出ていて、多くの人で賑わっています。まずは一番近くにあるベトナム料理屋さんに入ってみました。メニューを見て、た、高い・・・かなりカジュアルなお店なのに、日本円にして、ワンプレートランチが1600円くらいするんです。。その分量は日本のそれより大分多いんですけれどもね。食べられる量は限られているので、半分くらいでも良いんですけど。この「ちょっとお高くて、量が多い」食事のおかげで、滞在中間食をするスキがありませんでした。無念。
ランチ後は、Mascot駅からシドニー市街に出てみようと、再びエアポートリンクに乗り込みました。まずはセントラル駅で下車。この駅がシドニー市街のハブになっていようで、迷路のように様々な路線が乗り入れています。駅自体も古くて良い味。中を探検しながら、いよいよ外に出てみました。
まずは駅から西側、「パディスマーケット」付近へ向かいます。このあたりは中国人街のようで、お店の看板も中国語が多くなるし、歩いているのも中華系の方が多い。Mascot駅付近の清潔感溢れた雰囲気とはちょっとかけ離れた、雑多さが感じられます。これぞアジア・・・って私どこにいるんだっけ、と不思議な気分。ここからまた中心部に戻ろうとすると、インド人が多くなってきたり、そのインド人が口論していて人だかりができていたり、オーストラリアでアジアの混沌を感じました。さすが多国籍の国。
街路樹はジャカランダで、日本の桜のように春に咲き誇る紫色の花。これの匂いなのか、なんとも瑞々しい香りが漂っていて、空は青くピーカンで日差しが強く。北へ向かってどんどん歩いていくと、バックパッカー宿がたくさんある通りや、若者向けの洋服屋・雑貨屋が並ぶ一角や、やはりMascotのような清潔感はないのですが、これはこれで異国を感じられて楽しかった。
ちょっと古めの大型ショッピングモールの地下がスーパーマーケットになっていたので、ここでまずはお買い物。お土産とか、登山での行動食や、明日の朝食やらを買い込みます。ミカンやらイチゴやらの果物も豊富で、夜にお部屋で食べようと買い込みます。お土産の定番、キャドバリーのチョコレートもたくさん種類があり、この後ゆっくりお買い物をする時間もなさそうなのでまとめて購入。
そのあとはシティホールのあたりをぶらぶらしながら、クイーン・ビクトリア・ビルディングという、1898年に建てられたマーケットを改造したショッピングセンターに入ってみました。ところどころに古い建物の名残があるものの、入っているお店は最新の中級ブランドといった感じ。正直、日本にもあるようなお店なので、わさわざオーストラリアで入らなくても、ね。
それよりも、クイーン・ビクトリア・ビルディングの周りでは、イスラム教とキリスト教の人たちが、それぞれパンフレットを配って、啓蒙活動を行っていました。「オーストラリアは多国籍国家」という言葉はよく目にしていても、こうして街歩きをしている中で、ああ中華系の人が多い地区なんだとか、インド人が喧嘩してらとか、多種類の宗教の活動とか、こういうものを「実感」することとは、何百マイルもの隔たりがあると思います。普段はそれを忘れてしまっていて、テレビやネットで見たことを「実感」と勘違いしてしまいがちなのですが、この空気感、誤解していたこと、想像との隔たり、そいうことを肌で感じられるのが「旅」だと思うです。さあさあみんな、旅に出ようぜ。そして世界を1cmでも多く目にしようぜ。そう思わずにはいられません。
帰りはミュージアム駅から帰ろうと、シドニー中心街のその中心に位置するハイドパークに立ち寄りました。ここでは、たくさんの人たちが日向ぼっこを楽しんでいます。今の季節、半袖でちょっと肌寒いくらいの春。なのでこういう日の当たる公園でポカポカしたい気分、わかります。私も飲み物を飲みながらちょっと休憩。目の前には「ユニクロ」の大きな袋を抱えた人たちが通りすぎていきます。後で調べると、こちらのユニクロは日本のよりもやっぱりちょっとお高いんだとか。
そして公園の隅に、大きなモニュメントがあったので入ってみると、そこは「アンザック戦争記念館」でした。アンザックというのは、オーストラリア・ニュージーランド連合軍の略だそうで、ここは第一次世界大戦の戦没者を慰霊するために建てられたものらしいです。建物の中は、戦争に関する写真や慰霊碑が並べられていて、子供達が社会見学に訪れていました。私もしばしここで資料を拝見していきました。
時刻は夕方になったので、ミュージアム駅からMascotに向かいます。
すでにMascot駅を降りると「帰ってきた」気分になる私。駅付近のイベントは終了しつつあり、値引きを始めた屋台で、大きなBBQバーガーをひとつ買って、夕食のメインディッシュにすることとしました。
この日は読書や明日の天候なんかを調べながらゆっくりと部屋で過ごし、いよいよ翌日に迫ったコジオスコチャレンジに備えるのでした。ああベッドふかふかで寝心地最高。嚙みしめるように眠りに落ちました。