さて、残念ながらフカフカのベッドでぐっすり眠ることはできませんでしたが、新年ということもあって、意外と身体も気持ちもスッキリしています。まずは朝ご飯。ホテルの食堂のビュッフェで、果物やパンをいただきます。インスタントではないコーヒも久しぶりにいただきました。
ご飯の後は割とのんびりしながら出発です。今日は帰国日ですが、午前中の時間を利用して、近くのサファリに行くのです。
まずはホテルに待機しているサファリ専用車の乗り込みます。一見、普通のジープですが、天井がパカッと上にあがって、そこから顔を出すことができます。パーティのみんなと3つの車に分かれて乗り込みます。
昨日は暗くてよく見えなかったホテルの周囲もじっくり眺められます。異国の朝って、どんな国でも、日中よりもおっとりした雰囲気で、大好きです。道には、鮮やかな衣装を身にまとった女性が目立つなか、マサイ族が歩いていたりして、今日でここを去るのがもったいなくなる気持ちでいっぱいです。必ずまた、アフリカに来ようと心に決めました。
国立公園に到着。大きな象のハリボテを指差して、ドライバーが「ゾーサン!」と言うので、え?マジ? 早速? アフリカだし? とまんまとだまされそうになりましたがハリボテです。しかし、日本人はなぜ象だけ「さんづけ」なのでしょうかね。童謡の影響だけ? だとしたらものすごいプロパガンダですな。
国立公園に入ると、早速ルーフが開けられました。立ち上がるとちょうど、ルーフの下から顔を出すことができます。これがものすごく気持ち良い。埃がものすごいので、手ぬぐいを顔の下半分に巻き付けます。今日はそのままシャワーを浴びずに空港に行く予定なので、汚れたら日本までそのままなのですが、そんなの関係ねえ! アフリカの、大自然の空気をたくさん吸い込んで帰りたい! みんなは適当に座っていましたが、私はそんな気持ちから、ずっと立ちっぱなしで外を眺めておりました。風にあたりすぎてさすがに後半はヘトヘトでしたが。
さて肝心の動物ですが、ここはアルーシャ国立公園。キリンが大勢いるところで、最初からやはりキリンとシマウマの群れに出会いました。しかし小さい。見えない。でもめげない。車はずんずん、国立公園の中を進みます。両脇は木々に覆われ、猿や鳥が見え隠れしています。
自然の中にいることが普通になっていて、自分が埃っぽいとか、細かいところが薄汚れているとか、正直どうでも良くなってきます。それよりもこの、視界を埋める自然の色と、土と緑の匂いがまざった風と、そんなものたちを惜しむように全身で受け止めたい気持ちが勝ってきます。キリンが近くに見えたときには感動。どこをどう切り取っても絵になるなんて、そうそうあることじゃないです。キリンの他には、カバ、ブッシュバック、カンムリヅルなどを見ました。フラミンゴの群れはお出かけ中とのことで見られなくて残念。そして動物だけではなく、タンザニアで二番目に高いというメルー山の美しい姿も見る事ができました。ちなみに私たちがキリマンジャロでずっと飲みまくっていたお水は、メルー山ウォーターだったそうです。本当にお世話なりましたよ〜。
さて、サファリは数時間で終了。なぜなら空港に向かわねばならないからです。まずはホテルに戻ってランチを食べることに。実はこの日、ランチボックスを持ってサファリで食べるはずだったのですが、なんとホテルのキッチン担当が寝坊したとかで、ランチボックスが間に合わなかったのです! 外で食べるごはんもよかったのですが、ホテルで結構豪華なランチを食べられたので、かえってラッキーだったかもしれません?! どちらにせよ、登頂を果たした仲間との、アフリカでの残りわずかなご飯ですから、どこで何を食べても満足です。
ご飯を終えたらいよいよ空港へと向かいます。
私は荷物のパッキングがあまり上手じゃないので、予備のバッグと二つに荷物が分かれてしまいましたが、どちらも思い切って預けてしまったので、登頂時と同じサブバッグひとつという身軽なかんじで非常に快適。震災などがあって、もしもの時のためにの荷物を持たざるを得ない反面、やっぱり手ぶらな生き方っていいな! と思う数日間でした。カウンターで荷物を預けていると、突然、天井の灯りが消えました。停電です。でも職員の方々は慣れたもので、ああまたか、という雰囲気でした。そしてなぜか、入国時に記載して提出したカードをもう一度記入し、出国カウンターへ。そしてなぜかここでも、入国時に一度とった指紋をもう一度取られました。タンザニアの入出国管理の仕組みがまったく理解できないまま、この國を後にします。
搭乗まで少し時間があったので、お土産を見繕いました。お店はいくつかあって、品揃えも似ているのですが、なぜかひとつの店舗にみんな集まってしまいます。ちょっと不思議なのですが、よくよく考えてみると、間口がそこそこ広くて、店の中全体が外から見渡せて、品揃えが豊富で一通りなんでもそろっていそうなお店です。そして誰かが入っていると安心して足を踏み入れられるという、相乗効果も生まれています。お店の店員さんも、あまりお客さんに構うことなく、のんびりしているところもよく。みんなここで、Tシャツ、雑貨、CD、マグネットなどを購入。親しいお友達に対するお土産選びは楽しいものてずが、ここらへんでだんだん、日本に残してきた義理も思い出してきて、あああのへんにも買っていかねばとか、なんだかリハビリさせられているような気分になります。
そしていよいよ搭乗時間です。キリマンジャロ→ドーハ便は、タンザニアのリゾート地ザンジバルを経由するため、ビーチリゾートファッションの老若男女が沢山載っていました。登山服にサファリで埃まみれになっている我々とはえらい違いです。隣にはえらく肉付きのよい、お金持ちそうな、中欧ぽい顔立ちのご夫婦。斜め後ろには生成りの衣装をつけたイスラムのエラい人っぽい3人組。かと思えば、ジャージですよねそれ? という格好の(でも顔がちっちゃくてスタイル良いから様になっている!)のカップルも。それぞれがザンジバルで降りていきました。
私たちはそのままドーハまで。そしてドーハでは短いトランジットを経て、一路東京羽田まで帰国の途に着きました。
ああ、なんというエキサイティングな日々だったんでしょう! もう一生忘れられない旅になりました。私たちを安全に、楽しく率いてくれた隊長ならびにガイド・ポーターの皆様には感謝しかありません。この思い出があればこそ、乗り越えられることも今後たくさんあることでしょう!
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