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【涸沢・上高地に行ってみた】#2 雪の涸沢から初夏の徳沢へ

※前回までのあらすじ
涸沢へ向かう雪の道中で、予想外の暴風雨に。雪上に立てたテントの中で寝袋にくるまりながら寒い夜を過ごすことに・・・

朝になっても風景は変わらず

朝になっても風景は変わらず

■涸沢から徳沢へ
さて。そんな状況でも眠れてしまうわけです。だって眠るしかすることがないんですもの。
夜中に何度か目が覚めました。だってテントが揺れるんですもの。暴風雨がテントを揺さぶり、壁になっている部分が風で押し込まれ、もうこのまま飛んでいくのではないかと思いました。また、テントの中は人の体温で結露ができているため、風で揺さぶられると水がふってきます。このテント雨漏りしてるんじゃないの?と思ったのは大きな誤解でした。荷物は、床面も外に出ている部分も思いのほか濡れています。テント素人丸出しです。今後テントの中ではしっかりビニールやザックカバーの中で持ち物を保護しなければなりません。

朝になったら晴れていて、綺麗なモルゲンロート(朝焼け)が見られるに違いない・・・そんな淡い期待は激しすぎる風に飛ばされて消えました。ここまで来たら雨が上がるのを昼頃まで待ってから降りようか? なーんて相談を前夜にしていたのですが、お天気が「待っても無駄じゃ」と語っています。よって、早々にテントを畳んで退散することになりました。

出発の準備。雨の雪山ってのもレアな体験だわ

出発の準備。雨の雪山ってのもレアな体験だわ

気温は低いのですが、歩いていると確実に暑くなるので、寝ている時よりやや薄着で。アイゼンをつけて、レインウェアで防備して出発です。幸いにも昨日濡れた靴の中は、まだ湿っているものの十分歩ける状態でした。さあ、下山したらお風呂があります! お風呂に向けて、雨の中、雪道を下っていきます。

下りはさくさく進みます

下りはさくさく進みます

下りは早く、あっという間に昨日難儀した道を通り過ぎ、すれ違いにくかった細い道に入りました。しかしここ、結構急坂をトラバースしていくような感じで歩きます。道も細いし、背中の荷物も重いので、ちょっとバランス崩したら落ちるな・・・と注意しながら、しかし呑気に写真を撮りながら歩きました。アイゼンを装着していると、雪のあるところよりも、岩が出ているところが危険です。一歩一歩注意しながらの下山でした。

カメラが曇り始めました

カメラが曇り始めました

トラバースの道は細くて要注意

トラバースの道は細くて要注意

昨日昼食を食べた本谷橋で休憩です。かなり気温も上がってきたので、さらに防寒着を脱ぎ、おやつを食べて栄養補給。アイゼンも外して、一路徳沢へ。
雨も大分あがってきて、時々光が射すようにもなってきました。山からは雪が溶けて滝になっている、珍しい景色も見られました。

このへんまで撮影した写真は曇って全滅でした。。

このへんまで撮影した写真は曇って全滅でした。。

二輪草も見えてきたじゃないか・・・

二輪草も見えてきたじゃないか・・・

■徳沢園で極楽気分
そしてちょうどお昼頃、徳沢到着です! 本日のお宿は、人気の山小屋、徳沢園です。ここは、井上やすし作の「氷壁」の舞台にもなった有名なお宿。山小屋というには恐れ多い、設備充実の場所です。本日はここに泊まり、夜はハープ演奏のイベントもある、涸沢に続くもう一つのお楽しみがあるのでした。

これが徳沢園。人気の山小屋です

これが徳沢園。人気の山小屋です

メルヘンになりすぎず、陳腐でもない絶妙のインテリアも見所でした

メルヘンになりすぎず、陳腐でもない絶妙のインテリアも見所でした(これはちょっと乙女ちっくだが)

ランプもすてき

ランプもすてき

こんなのも。全体が薄暗いのも良い。陰翳礼讃

こんなのも。全体が薄暗いのも良い。陰翳礼讃

お部屋が使えるのは14時からとのことなので、まずはお昼ごはんです。こってりして汁っぽいものが食べたい、という希望を叶えてくれたのが、カレーうどんです。いやこれがもうほんと、美味しかった。名物は野沢菜チャーハンとのことですが、それを頼んだ方に一口いただきました。それも美味しかった。コーヒーも飲んで、昨夜からの疲れを癒します。

カレーうどん。一気飲みしました

カレーうどん。一気飲みしました

14時からは乾燥室も使えたので、何から何まで乾燥して、自分はお風呂に入ります。ああ〜極楽とはまさにこのこと。この日はそのあと、ずっと宿やその周囲を散歩しながら過ごしました。

さっきまでの天候が嘘のようなやわらかな日差しが・・・

さっきまでの天候が嘘のようなやわらかな日差しが・・・

こんなに天気が良くなると、ちょっと悔しくなってくるので、「まだ山のほうは雲があるわね」「待っていても晴れなかったね」と、ややイソップ童話のキツネのようなセリフがついつい口から出てしまいます。

でも山には雲、あるよね! ね!

でも山には雲、あるよね! ね!

あるよねーーーーっっ

あるよねーーーーっっ

夜ごはんの後、ハープの演奏がありました。最後尾に座っていたため、写真はありません。が、ハープのソロ演奏って初めて聞きましたが、ピアノ曲が弾けるんですね。ドビュッシュー「月の光」や、リストの「ため息」など、聞き覚えのある曲を聴きながらうっとり。山小屋の雰囲気にもばっちりあっていて、疲れた身体にも静かなクラシック音楽が心地よかった。本当に贅沢なひとときでした。

ああ夜ご飯。なんて豪華な。肉あり魚ありのまるでマサラムービー

ああ夜ご飯。なんて豪華な。肉あり魚ありのまるでマサラムービー

昨年は畳のお部屋だったのですが、今年は新しい部屋でした。お伽話のような部屋

昨年は畳のお部屋だったのですが、今年は新しい部屋でした。お伽話のような部屋

山の案内もばっちりです

山の案内もばっちりです

消灯は21:30。空は曇っていて星が見られず、二日ぶりのお布団は心地よく、すぐに熟睡。夜中には星が出ていたそうですが、見逃してしまい残念。しかし朝4時半に目が覚め、トイレに行きがてら朝日を見に行ったら、ばっちり朝日に照らされる穂高を眺めることができました! 周りには三脚を持ったオジ様方がちらほら。早起きは三文の得って言いますが、ここに来ると実感します。

星が出ていないのでふて寝するしかない

星が出ていないのでふて寝するしかない

朝の空。バニラスカイですな

朝の空。バニラスカイですな

間近で見たかったアイツ

間近で見たかったアイツ

でも遠目でも美しいよね

でも遠目でも美しいよね

アップにだってできるもの

アップにだってできるもの

朝はやっぱり寒いです。ストーブで暖をとる

朝はやっぱり寒いです。ストーブで暖をとる

朝はお外でホットドック!

朝はお外でホットドック!

朝食の後はまた散歩。散歩しかやることがありません(笑)。近くにオープンしたロッジを見学してお茶を飲みにいったり、そこのオーナーらしき男性に、「緑の二輪草」という珍しい品種を教えてもらったり、普段とは360度異なる過ごし方で、明日からの社会復帰が心配になるほどでした。

幸せというテーマで描いた絵のような空間・・・

幸せというテーマで描いた絵のような空間・・・

昨日のような雪もあればこんな晴れもある・・と思わず人生訓をたれたくなる

昨日のような雪もあればこんな晴れもある・・と思わず人生訓をたれたくなる

山桜も光があたって輝いている

山桜も光があたって輝いている

ほらこんな風に

ほらこんな風に

二輪草もすっかり開いて!

二輪草もすっかり開いて!

川べりから見た山の美しいこと!

川べりから見た山の美しいこと!

暇なのでお茶しました。ケーキ食べました。完全にオーバーカロリー

暇なのでお茶しました。ケーキ食べました。完全にオーバーカロリー

ロッジの方に教えていただいた緑の二輪草。ラッキーアイテムぽいね!

ロッジの方に教えていただいた緑の二輪草。ラッキーアイテムぽいね!

ピンクの二輪草も可憐よ

ピンクの二輪草も可憐よ

昼食はおこわでした。食べてばっかり!

昼食はおこわでした。食べてばっかり!

帰りも河童橋まで軽くハイキング。もう平坦な道ですから、何も支障はありません。朝の道では咲いていなかった二輪草を愛で、望遠鏡で穂高山頂を捉えているオジさんに覗かせてもらい、到着直後はソフトクリームで栄養補給。栄養補給ばっかりしていたような気もしますが。

60リットルのザックを背負った記念写真

60リットルのザックを背負った記念写真

帰り道は猿と遭遇

帰り道は猿と遭遇

修行の涸沢も、それはそれで楽しい経験でした。でも来年は雪を照らす朝焼けを見たいものです。こうして楽しい4日間の山行は終了したのでした。

上高地日本涸沢登山雪山

owner • 2016年5月15日


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